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新作アイテム「INDUSTRIAL」への解釈

industrial/インダストリアル

新作「INDUSTRIAL/インダストリアル」をリリースしました。

INDUSTRIALは、industryの形容詞で、直訳は「産業の/工業の」という意味ですが、直訳以外に様々な意味を含みます。 産業革命(Industrial Revolution)が起きてから世界は劇的に変化しました。近代化、そして工業化を生み出し、ものづくりの効率が爆発的に上がり、大量生産・大量消費社会になっていきました。つまり、INDUSTRIALには大量生産社会の意味も含まれているのです。 大量生産・大量消費社会の恩恵は計り知れません。工場が無かったら、車やパソコンなどが現在の価格で購入できません。100円均一も、コンビニエンスストアも、テレビもありません。産業革命がなかったら、アンデトローゼの活動を始める事すらできなかったと思います。ただ、私は、なにかぼんやりとした『違和感』がありました。それが、この作品をつくったきっかけです。

デザインについて

本作品はINDUSTRIALを三つに分け、一瞬で理解させないように、INDUSTRIALというワードをすこし分かりにくくさせています。プリントを「DUST」部分だけを様々な色合いや偶発誘導のマーブルカラーで一点物に仕上げ、INDUSTRIALがもつ「大量生産・大量消費社会」と真逆の意味合いをもたせる事で社会に対するアンチテーゼを表現しました。

INDUSTRIAL / MULTI COLOR INKINDUSTRIAL / MULTI WHITE INK

アンチテーゼの解釈について

アンチテーゼの直訳は「正反対」であり、否定ではありません。表があれば裏があり、対称があることで議論が成立します。そこには否定だけでなく肯定もリスペクトも含まれています。アンチテーゼは尊敬と疑念を含ませた哲学的な言葉です。 ちなみにアンデトローゼとアンチテーゼは響きが似てるねってよく言われますが、綴りが“undetroz”と、“Antithesis”で全然違います。しかし、アンチテーゼは今後もアンデトローゼにとって非常に重要なワードとなっていくでしょう。

人と機械との共存

上記のとおり、大量生産主義をヘイトするつもりはなく、あくまで逆説的な意味を持たせ皮肉としてつくりました。機械にしかできないこと、人間にしかできないことがあり、バランスがかたよるのより、お互い意識しあい共存した方がいいのでは?という問題提起です。

インダストリアル・ミュージック

INDUSTRIALは音楽の世界にも非常に重要なワードです。インダストリアル・ミュージックといったジャンルが存在します。インダストリアル・ミュージックは、機械音やノイズ、環境音、サウンドコラージュなど音楽の定義にない音をつかい工業社会への風刺し、表面的な音のジャンルには留まらず、思想、社会、文化まで及んでいます。

DUSTは本当にゴミなのか

インダストリアル・ミュージックの他、関連性が大きいノイズ・ミュージックやアンビエントは、ノイズ(雑音)や虫の鳴き声や水、風が走る音などの環境音(アンビエントは環境という意味です)など、音楽の定義から逸脱した音にフォーカスしています。ゴミと言われている物質は、果たして本当にゴミでしかないのか?という考えから、DUST部分を色鮮やかにしています。

解釈から解釈へ

こうして制作した背景を文字にすると、壮大で思想が色濃くなってしまいますが、それはあくまで制作者の身勝手な解釈であり、手元に置いた時からその方へバトンタッチします。どう解釈しても、単純にデザインがかっこいいから。でも立派な理由です。その「世界にひとつ」は、あなたのものなのですから。